沖縄北部の地域を表す「 やんばる 」は、豊かな山と自然にあふれ、2021年の7月には、 やんばる (沖縄本島北部)を含む奄美大島・徳之島・西表島が世界遺産に認定されました。
この記事では、そんな「 やんばる 」の魅力について探っていきたいと思います!
あなたのふるさと納税がやんばるの環境保全・絶滅危惧種の保護に繋がります。
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やんばる ってどんなとこ?
そもそもやんばるとは沖縄県のどのあたりにあるのでしょうか?
実は、やんばると呼ばれるエリアはきっちりここからここまでとその範囲が決まっているわけではありません。
名護市よりも北をそう呼ぶこともあれば、中でも特に自然が豊かな「やんばる3村」と呼ばれる国頭村(くにがみそん)・大宜味村(おおぎみそん)・東村(ひがしそん)を指すこともあります
また、北緯27度付近にあるやんばるは温暖な気候であると同時に温かい黒潮やモンスーンなどの影響で雨の多い地域です。
ただ気温が高いだけではなく、豊かな雨にも恵まれているんですね。
そのため、たっぷりと潤った亜熱帯の森には、そこでしか会えない希少動物たちも沢山生息しています。
やんばるを訪れたら、その緑豊かな自然と生命力が持つパワーと美しさに圧倒されること間違いなしです!
やんばる の自然
やんばるの森を構成するのは優占種であるスダジイ(イタジイ)と呼ばれる高さおよそ20m、径1mに達するブナ科の常緑高木です。
スダジイは遠くから見るとその形がブロッコリーにも似ていて、秋にはドングリを沢山付け、動物たちのごちそうになります。
他にも高さが10m以上、葉は3m近い大きさになるヒカゲヘゴなど、シダ植物をはじめとする亜熱帯植物が多く見られ、南国情緒たっぷり。
また、やんばるエリアの中心には、最北の国頭村から南の名護市にかけていくつもの山が連なっています。
中でも沖縄本島で一番の高さを誇る与那覇岳などの山頂周辺では、年間を通して霧が発生するため、コケや土に根を下ろさずに岩や木などに根を下ろす着生植物が多く見られるのも特徴です。
背の高い木には、そんな着生植物の一種である様々な種類のランも見ることができます。
中でもスダジイなどに着生するオキナワセッコクは国内希少動植物種にも指定される着生ランで、白や薄紅色をした細長い花びらを持つ5cmほどのかわいらしい花を咲かせます。
花と言えば、イジュと呼ばれるまん丸のつぼみがかわいらしいツバキ科の花も、やんばるを代表する花の一つで、五月の雨の中に咲くその白い花は琉球時代から多くの人に愛されています。
やんばるの森に訪れた時には、ぜひそんな珍しい植物たちにも目を向けてみてくださいね。
やんばる の生き物
やんばるの生き物と言えば代表的なのは、やはり国の指定天然記念物にも指定されているヤンバルクイナです。
ヤンバルクイナは全長約30cm程の鳥で、暗いオリーブ色の身体に胸から腹にかけた黒い横縞模様と赤いくちばしがトレードマーク。
彼らは飛ぶことが苦手な代わりに、くちばしと同じ赤色の丈夫な足を持っています。
沖縄のお土産屋さんに行くと必ずヤンバルクイナのキーホルダーやグッズなどを見かけますよね。
同じ鳥類で言うと、沖縄県の県鳥にも指定されているノグチゲラは、やんばる地域にしか生息しないキツツキで、国の特別天然記念物にも指定されています。
他にもやんばるにはヤンバルテナガコガネという絶滅危惧種に指定された昆虫や、オキナワトゲネズミ、ケナガネズミ、日本で一番美しいカエルとも言われているオキナワイシカワガエルなど、多くの固有種が生息しています。
国頭村にはやんばるの自然やそこに生息する生き物のことが学べる「ウフギー自然館(やんばる野生生物保護センター)」という施設があります。
そこでやんばるの生き物について学んでからやんばるの森を探検してみるのも面白いかもしれませんね。
やんばる の観光スポット
やんばるは国頭村・大宜味村・東村を合わせたやんばる3村とその周辺の海域を「やんばる国立公園」としています。
その中でもおすすめの観光スポットを4つピックアップしてみました!
沖縄最北・最強パワースポット!【大石林山】
やんばるの大自然で最強のスピリチュアル体験をするならここ!
大石林山(だいせきりんざん)は沖縄本島の最北端にある奇岩の山ですが、琉球の創世神と言われている「アマミキヨ」が最初に創った場所と言われています。
大石林山には40箇所以上の拝所(うがんじゅ)があることからもその神聖さを感じずにはいられません。
数々の神聖な奇岩や、木の精霊(ウジムナー)の目撃情報が多い「御願(うがん)ガジュマル」という巨大ガジュマルなど、見どころも満載です。
大石林山は東京ドーム11個分とものすごく広いですが、4つのコースに分かれており、その時の目的や体力に合わせて楽しむこともできます。
亜熱帯の森を探検!【比地大滝遊歩道】
比地大滝(ひじおおたき)は県内最大級の落差を誇る滝で、その高さは25.7m!
比地川づたいに整備された遊歩道を片道40分ほど歩いていくと見ることができます。
遊歩道はしっかりと整備されていながらも自然との距離がとても近く、それなりのアップダウンもあり、気軽に探検気分を味わうことができるのでおすすめ!
なにより自然との距離が近いので、やんばるの植物や生き物たちを間近で観察することができますよ。
ドライブの目的地はここ!【辺戸岬】
沖縄本島最北端の辺戸岬(へどみさき)は太平洋と東シナ海に面した岬で、天気のいい日には水平線に鹿児島県の与論島を見ることができます。
最北端と言うだけあって空港や市街からは少し距離がありますが、その道中には道の駅や公園も多く、景色もとても綺麗なのでドライブには最適です。
辺戸岬の近くには高さ11.5mのヤンバルクイナ展望台がどーんと立っているのも見えて、とっても微笑ましくなります。時間があればその展望台から辺戸岬を眺めてみるのもおすすめですよ!
絶景・絶壁!!【茅打バンタ】
茅打バンタ(かやうちばんた)は辺戸岬から車で5分くらいの所にある高さ80mの断崖絶壁。そこから見渡す青く澄んだ海と、植物の濃い緑のコントラストが最高に綺麗です。
青い海に突き出した宜名真(ぎなま)漁港の防波堤がアクセントにもなっていて、とってもフォトジェニックな景観になっています。
やんばる のグルメ
スナック感覚で食べる!?【パイナップル】
やんばるの代表的な食べ物と言えばやはりパイナップル!
沖縄県本島北部の東村(ひがしそん)はパイナップルの生産量日本一とも言われており、中でも黄金色の果肉と樽のような形から名付けられたゴールドバレルという品種が有名です。
酸味が少なく糖度も平均して15度以上の美味しいパイナップルで、手でちぎって食べられるのが面白く、別名スナックパインとも呼ばれています。
健康と美肌の味方!【シークワーサー】
やんばるでは大宜味村(おおぎみそん)のシークワーサーも有名です。
シークワーサーのシーは「酢」クワーサーは「食わせる」という意味であることからも想像できるように、酸味が特徴的な柑橘類。
熟す前の緑色の果実は酸味があるので果汁を揚げ物にかけたり、焼き魚にかけたりしてその酸味と香りを楽しみます。
収穫し始めの九月頃は酸味のあるシークワーサーも、冬には完熟してオレンジ色になり、完熟したシークワーサーは甘くなるのでそのまま皮を剥いて食べることもできるんですよ。
シークワーサーには疲労回復に効果のあるクエン酸やビタミンが豊富なうえに、がんの抑制効果が期待されると言われるノビレチンの含有量がピカイチ。
そのため健康食品としても話題で、シークワーサーを手軽に楽しめる加工品も多くあります。
旅行に行った際にはシークワーサーを使った料理やジュースが楽しめるお店も沢山あるので、ぜひ味わってみてください。
やんばる の新グルメ!?【和そば】
また、先ほどシークワーサーで紹介した大宜味村では、新しい村おこしの一環として村でそばの栽培とそば粉の生産が行われるようになり、和そばも新しいやんばるグルメとして期待されています。
通常そばは年2回、夏と秋に収穫されるのですが、大宜味村では5月に夏の新そばが食べられるそうです。
通常は6月〜8月が夏の新そばの時期なので、日本で一番早く新そばを食べることができます。
沖縄そばが有名なこの場所で、あえて和そばに挑むのもまた面白いかもしれませんね。
水が命!!【オリオンビール】
オリオンビールの看板商品、「オリオン ザ・ドラフト」はやんばるの水を使用して作られています。
沖縄の水は琉球石灰岩地層などの影響で、地域によって水の高度が違うそうです。
そんな中、やんばるの水は沖縄県随一の軟水。まろやかな水と、伊江島産の大麦を使ったオリオン ザ・クラフトはなめらかなのど越しと澄んだ旨味が特徴。
現地のグルメと一緒に楽しむも良し、暑い日差しの中青空の下で楽しむのもおすすめです。
やんばる で楽しめるアクティビティ
やんばるには大自然と遊べるさまざまなアクティビティが充実しています。
中でもおすすめしたいのはこの3つ!
キャニオニング・シャワークライミング
このアクティビティは初めて聞くという方も多いかもしれません。
キャニオニングとは、ライフジャケットやウエットスーツを着て自分の体一つで渓流を歩いたり泳いだりしながら下っていくスポーツです。
シャワークライミングはその逆で、渓流や滝を登っていきます。
この言葉だけ聞くとかなり過酷な状況を想像するかもしれませんが、ガイドさんがしっかりついてロープなどを使うので特別な訓練を受けていなくたって大丈夫!
滝に打たれてみたり、滝つぼに飛び込んでみたり…全身でやんばるの綺麗な水や大自然を体験することができるアクティビティです。
まるで冒険家にでもなったようなスリルと興奮で、忘れられない思い出になりそうですね!
カヌー・カヤック
やんばるでマングローブ探検をするなら、カヌーとカヤックがおすすめ!
マングローブを構成するヒルギ科の植物はタコの足のような根で水面の上に立っており、その根本は動物たちの隠れ家となっています。
カヌーやカヤックでは、そんなヒルギの根の近くを水上散歩しながらマングローブの生き物たちを観察することができるんです。
カヌーやカヤックが初めてでも、ガイドさんが丁寧に教えてくれ、川の流れも穏やかなので安心して楽しむことができますよ。
バギー
やんばるのバギー体験は、トレッキングやカヌーなどの体力を使うものは自信がない人にもおすすめできるエキサイティングなアクティビティです!
免許が無くても乗れるので気軽にトライすることができます。
やんばるの亜熱帯植物の間をバギーで力強く駆け抜けていく爽快感は最高です。
バギー体験は他のトレッキングなどのアクティビティに比べ、特別な準備もなく一時間ほどで体験できる気軽さも魅力の一つ。
観光の隙間時間に組み込みやすいのでおすすめです。
ガイドさんがついて色々とやんばるの自然について説明をしてくれるツアーなどもあるので、自分にぴったりのプランをぜひ探してみてください。
やんばる が抱える課題
世界遺産に登録されたことでより一層注目を集めるやんばるですが、やんばるの自然の美しさを保ち続けるために、私たちが考えていかなくてはいけないことがあります。
例えば、観光客が増えることで起こるゴミ問題や悪戯による環境破壊はこれからの大きな課題です。
他にも、人の行き来によって外来種の植物の種などが運ばれてしまう危険性など、悪意はなくとも知らずのうちにやんばるの生態系を脅かしてしまう可能性もあります。
外来植物は人にしてみればどれも同じ自然のように見えても、そこに暮らす動物たちにとっては食べられる物とそうでないもの、害になるものなど色々なのです。
やんばるの自然は、そこにしか住むことのできない貴重な固有種を多く育んでいます。
現在もなお絶滅の危機に晒されている命を沖縄の人々が自然と手を取り合って守り続けています。
壊すこと、失うことは簡単ですが取り戻すことはとても難しい、それが「自然」と「命」です。
ここにあげた例はほんの一部でしかありません。私たちひとりひとりが正しい知識とマナーをもって、大切なやんばるの自然を守っていきたいですね。
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